2026.10.10
果物の恵みと、お薬の心地よい調和 〜東西の視点から紐解く、秋の巡りケア〜
秋の深まりとともに、店頭には色鮮やかでみずみずしい果物が豊富に並ぶ季節となりました。
東洋医学において、秋に実る果物は「生津潤燥(しょうしんじゅんそう)」の恵み。
からだに優しい潤いを補い、秋特有の乾燥やカサつきから守ってくれる、とても素晴らしい養生食材です。
けれど、日頃からお薬を服用されている方は、ほんの少しだけその「摂り方」に意識を向けてあげることで、より心とからだを整えやすくなります。
東洋医学の視点:体を巡らせ、胃腸(脾胃)を冷やさない工夫
多くの果物は、体内の余分な熱を落ち着かせる「寒・涼」の性質(性味)を持っています。
そのため、冷たい果物ジュースなどでお薬を流し込んでしまうと、消化吸収を担う「脾胃(ひい)」の温かなエネルギー(陽気)を冷やしてしまいがちです。胃腸が冷えると、体内に余分な「湿(不要な水分)」が溜まり、重だるさや巡りの停滞につながることもあります。
西洋医学の視点:成分の相互作用を知る
同時に、西洋医学の視点からも知っておきたい組み合わせがあります。
グレープフルーツや柑橘類:降圧薬やコレステロールのお薬など、薬の効き目を強めすぎてしまう場合があります。
バナナ:一部の降圧薬との組み合わせにより、体内にカリウムが留まりやすくなることがあります。
リンゴやクランベリーのジュース:薬の吸収や血液の循環に影響を及ぼすことがあります。
大切なのは、決して怖がったり遠ざけたりすることではなく、お互いの特徴を知って優しく調和させることです。
一番の養生は「白湯」でお薬を飲み、果物は一息つく時間に
東西の知恵を重ね合わせた、一番美しい整え方。
それは、「お薬は、胃腸を冷やさず巡りを助ける温かな白湯(または常温のお水)で優しく飲むこと」。
そして、「果物は、お薬と少し時間を空けてから、日常の豊かなティータイムとして五感で味わうこと」です。
飲み合わせの小さな知恵を添えるだけで、お薬の助けも、旬の豊かな恵みも、からだに負担をかけることなく一番心地よい形で受け取ることができます。
澄んだ秋の空気のなか、あなたの日常が今日も優しく美しい巡りで満たされますように。
